ESSA開幕を祝うように、秋ヶ瀬公園のソメイヨシノはピークこそ過ぎたが咲き誇っていた。
陽射しは例年に比べればキツく無いが、4月1週目らしい穏やかな陽気のもと、開幕戦を迎える事となった。
グラウンドに真っ白なラインが描かれ、守備位置に各メンバーが散る。
動くにはちょうど良い暖かさに送球も軽やか。ボール回しが行われる中、マウンドには今年も小松が仁王立ちする。
リザーブ無しの10名、その日その時のベストを尽くしながら、ゲームを楽しもう!と試合に望む。
初回のオモテ、先発の小松をはじめとして全員守備を敷いていたボルメッツだが、四谷打線の巧妙なバットコントロールに右往左往。
四谷打線に立ち上がりを上手く攻められてしまった。
エラーもあったが、次から次へと安打が生まれて6失点。
決して全体が緩慢だった訳でも、投手の配球に難があった訳でもない。
過去にプレーオフに進んだこともある、四谷打線の底力を素直に見せつけられたのだが、ベンチの雰囲気は失点数ほどの落胆した空気は微塵も無かった。
早いうちに背負ったビハインドは、早いうちに返したいボルメッツもすぐさま反撃。
開幕の先頭バッターには志村が抜擢。相手投手の立ち上がりに付け入るべく、球筋を見極めて四球を選択。1アウト後に3番・原田がヒットで続いて、4番の宇野を迎える。
甘めに入ったボールを見逃さず鋭く振りぬくと、打球はパイロンライン目掛けて一直線。外野手は追いつけず、あとは飛距離は足りただろうか?・・・と一瞬の静寂。
そして審判の手が回り、反撃のノロシが静かに上がった。
この後は打ち取られるも、初回のうちに3点を返す。
2回以降の小松は、初回の失点が嘘のような投球を見せる。野手の正面に打ち取れば、バックの堅守にも助けられ無失点で切り抜ける。
試合の流れをゆっくりと引きつけつつあるボルメッツは、3回にいよいよ本領発揮。
先頭の山口が四球で出塁し、1アウト後に宇野の安打でチャンス拡大すると5番・遠藤寿がショートへの当たりを全力で駆け抜けてタイムリー内野安打。さらに6番・菊池もタイムリーで続き1点差に追い上げる。
さらに打順は7番に座る藤本へ。全身の力を飛ばすだけ事に凝縮したような豪快な一振りで3ラン。
この時点で8−6と逆転に成功。先日のKnights戦でも大暴れした打棒が、この日も炸裂した。
さらに小室が二塁打を放ち、ベンチは半分お祭り騒ぎ。
ラストバッターの小松にも初回の失点を取り返すタイムリーが飛び出して、さらに1点追加。打者1巡の攻撃で6点追加し、ボルメッツは3点リード。
4回にもボルメッツは打線が繋がる。
この回も先頭打者の山口が2塁打で出塁すると、原田の当たりはエラーを誘ってチャンス拡大。宇野が倒れた後、遠藤寿の当たりで1点追加。
続く菊池もエラーを誘ってランナーを溜め、打席には再び藤本。
今度はセンター方向へのホームラン。外野手を遥か彼方に置き去りにして3点追加に成功。合計4点追加。
時間制限のため5回で終了となるため、最後は投手リレー。
四谷の強力打線に立ち上がりを攻められ、2点は献上するもラストイニングを締めてゲームセット。
今年のESSA開幕戦を13−8で勝利した。
四谷のチーム一丸となった戦いぶりは、一時の不振を脱するに余りあるものだった。
この試合はどちらが勝っても不思議ではない展開で、勝ったとは言え、点数ほどの差は感じられない接戦だった。
ボルメッツは好機を生かした宇野と藤本の前に、ランナーを2人ずつ溜める事が出来た事が、勝利を大きく引き寄せた。
文責/志村 写真/小松、菊池、志村、遠藤寿
監督談話/
この試合は6点を先制されるも「好機にもピンチにも浮き足立つ」事もなく冷静にプレーをしていたのは大きい。
この試合は勿論宇野のホームランと藤本のホームランが決定打となったが、宇野、山口あたりの好走塁も加点にうまく絡みついたと思う。相手が何処であれゲームを充分楽しむためこの調子で全員が全力でプレーをしよう。
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