環8工事渋滞に巻き込まれ、スタメン出場は敵わなかったが代打で3点タイムリーを放った宇野。 |
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2008.3.29(道満G)
桜の開花からおよそ1週間。
今年は開花から満開宣言まで5日間と、摂氏20度に届く温暖な気候に誘われて、早いペースで咲き急いだ。
見頃を迎えた桜を花見するには、一番良い時期なのに、今日は冷たい空気が流れ込んだ。
ライト後方のヤクルト球場には、中田翔(北海道日本ハム)や佐藤由規(東京ヤクルト)を目当てに集まった観客が居たが、この時期に混雑するバーベキュー場ともども、決して押すな押すなと言うほどの混雑では無い。
そんな少しだけ肌寒い3月29日、2008年のボルメッツは開幕試合を道満G面で行った。
開幕戦はボルメッツが先攻となった。
対戦相手のKnightsは主戦投手の南雲をマウンドへ。
身体をほぐしても開幕特有の堅さが残るボルメッツナイン。緊張している証拠でもあるのだが、先頭バッターの森下は南雲の投球術にうまく交わされセカンドゴロ。
続く八馬は2ストライクからファウルを打って三振。あっという間に2アウトを取られるが、3番・原田がショートへの内野安打で出塁する。そして4番・只津がいきなり結果を出す。
昨年もこの道満G面で弾丸ライナーをレフト後方へ運んだが、その再現とばかりに鋭い打球をレフトへ。上空遥か高くにレフトへの強い風が吹いていたが、その風に乗る間もなく低い弾道でアーチを描いた。続く大信田は高めいっぱいを見逃
し三振に倒れるも、ボルメッツ2点が先制する。
ボルメッツの先発は小松。
強い風に幾度となく悩まされた経験から、慎重に緻密な組み立てを見せる。1点は失うが、初回にしては危なげないピッチングで上々の立ち上がり。
2回以降身体が温まってきたボルメッツは、展開やツキも味方につけて鮮やかな攻撃で突き放していく。
まずは2回、先頭の山口が四球、続く新入団の藤本がヒットで出塁。小室のセカンドゴロの後、永関の四球で1アウト満塁。
ここでトライアウト参加の稲ヶ部がセンター前へはじき返すが、ショートフィルダーに阻まれて永関が2塁でアウトになる。しかしその間に山口がホームインして1点追加。
2アウト1・3塁で続く志村がしぶとくセンター前へタイムリーを放ってさらに1点追加。芝生の切れ間に打球の勢いがそがれる間に1塁の稲ヶ部は3塁に、打者の志村も2塁に到達。
さらにラストバッターの小松が、オハコの流し打ち。タイムリーヒットとなって1点追加・・・と思いきや、サードコーチャーがゴーサイン。2塁から志村も還ってもう1点追加。この回は相手野手の間に上手く打球が飛び、ソツの無い走
塁で4点追加する。
小松と小室の呼吸の合ったバッテリーはKnightsに得点を与えずに抑えていく。
風による影響もさほどなく、ゆったりとした力みの無いフォームが、打者の打ち気を上手く交わしていく。
4回に藤本が豪快なスイングでソロアーチで1点追加すると、5回にボルメッツ打線がさらに突き放す。
先頭の稲ヶ部、続く志村とヒットで出塁。小松はサードゴロに倒れ、稲ヶ部はサードでアウト。ところがサードからの送球が逸れてしまい、ボールが転々としている間に志村はホームイン。小松も3塁に進む。打順はトップに戻って森下。
ここまではヒットが出ていなかったが、キッチリとレフトへタイムリーを放ち1点追加。
八馬が三振に倒れた後2アウトから原田のタイムリーでさらに追加点。
攻め続けるボルメッツはこの後も只津が四球を選び、ここまでノーヒットの大信田にも初安打となるタイムリーが出て追加点。
続く山口は強い逆風を切り裂いて鋭い当たりを右中間へ。息を切らしながらも山口はダイヤモンドを一周、最後はキャッチャーへの返球が逸れたのもあってホームに生還して3ラン。さらに藤本が2打席連続のソロアーチでトドメ。あわや打
者一巡の猛攻で8点追加する。
15−1と大きくリードしても小松の投球は冴えており、5回を1失点で切り抜ける。
6回にもボルメッツは先頭の永関、稲ヶ部が連続安打で出塁し、志村が四球を選んで無死満塁に。ここで代打に宇野が登場。レフトへの3点タイムリーでダメを押すと、続く森下と八馬にもタイムリーが出て5点追加に成功。
6回裏からマウンドには志村が上がる。風がそれほど強くないのも手伝って、後続を断ってゲームセット。
初戦は20−1でボルメッツが勝利した。
危なげない試合運びだったが、塁に出たら次の塁へ・・・と積極果敢な走塁が随所にみられ、これが大量得点に結びついた。
ホームランを打った選手以外でも、上位の森下・原田に、下位の稲ヶ部・志村が2得点以上挙げる活躍が大きかった。豪快な一発あり、サードランナーの好判断で好走塁あり・・・と抜け目の無い攻撃が開幕戦から出来た事は、この先のシー
ズンがとても楽しみになってきた。
文責/志村 写真/小松、菊池、志村、森下
監督談話/
2008年のウチは広島か?ヤクルトか?というぐらいに主力が移籍したり就職したりと人手不足になってしまったが、トライアウト生を含め14人集まりなんとか希望が持てる試合となった。またトライアウト生の活躍が目立ち、主力もうまく噛み合った。
昨年まで見られた「好機にもピンチにも浮き足立つ」事もなく冷静にプレーをしていたのは大きい。
結果的に4本のホームランが出たが、今年のウチの売りは一発に頼らず「果敢に次の塁を狙うアグレッシブさ」をテーマにしたいと思っている。早くもそれが結実した良いゲームだった。
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